2012年5月2日水曜日

大江健三郎「われらの時代」

先日、ちょっと時間があり手元に読む本を持ち合わせていなかったので阿佐ヶ谷のブックオフに寄り購入したのが大江健三郎の「われらの時代」です。

暫く前から大江健三郎を読もうと思っていたのですが、結構難解な作品が多く、読む速度も上がらないので図書館の貸し出し期間で読みきれることは無く、購入する機会をうかがっていました。文庫本ですが100円で購入。

 大江健三郎を読んだか読んでいないかで読書人生はわりと大きく変わるのではないかなと思います。それほどまでに作品に力があります。

読んだことがあるのは「飼育」、「燃え上がる緑の木」、「静かな生活」ですが、読書途中であきらめたのが「宙返り」、「チェンジリング」、「万延元年のフットボール」と多数あります。このあたりも大江健三郎独特の世界観のあらわれかと思うのですが、簡単な話、大江健三郎の本はとっつきにくいのです。

しかし 「燃え上がる緑の木」はなかなかエキサイティングで(普段はあまり思わない)信仰とは?魂の救済とは?ということを深く考えさせられたうっすらとした記憶があります。ギー兄さんというひびきも斬新でした。

さすがにノーベル文学賞受賞しているだけあって読んで損はありません。いやはや、母国語として大江健三郎の本を読めることは幸せかもしれませが、1960~80年代の日本が時代背景としてあるのでこのあたりの知識があると(学生運動、安保、高度経済成長)なお理解が深まるかもしれません。

今読んでいるのは「われらの時代」なのですが、冒頭部分が結構エロいのが良い?です。

2012年4月19日木曜日

闇のよぶ声 遠藤周作

遠藤周作「闇のよぶ声」を読み終わった。久々の遠藤周作なのですが、裏表紙によれば「長編の心理的推理小説で非常に珍しい話題作」ということです。発表が1971年なので相当時代を感じます。主人公の一人が精神科医であるのもそれを感じさせる理由で、現代の2012年とはだいぶ雰囲気が違います。

推理小説、ミステリといった分野は時代と共に進化しているのだなと強く感じました。 設定とか人物の行動、心理描写はかなりおおらか。犯罪を犯す側の理由も複雑化しているし、それを操作する側の技術も進化している。

同じミステリ?でも池波正太郎の鬼平犯科帳の江戸の風俗には風情を感じるのは現代とまったく違うからですね。

2012年4月15日日曜日

第2期「自然への回帰」:

第2期「自然への回帰」:ノンフィクション、ネイチャー系作品を中心に・・・ 読書遍歴、第2期。生まれも育ちも田舎だったので、自然というものがありふれた生活を18年ほど送っていた。

小学校は毎日30分ほどかけて歩いて登校し、1時間ほどかけて歩いて帰ってくるような生活をしていた。帰り道が長くかかるのは、途中で文字通り道草を食って遊んでいるからでザリガニ、イモリ、カブトムシ、ゲンゴロウなどなど捕まえたりしていた。そんな少年時代をすごしていたので、ネイチャー系の本というのはごく身近に感じるジャンルでした。小学生の時に椋鳩十の本を読み漁り、昆虫にはあまり興味がなかったのでファーブルではなく、シートン動物記を読んでいた。

その後、ちょっと大人になると、大人のネイチャー系を読み始め、第1期に遅れること数年でノンフィクション、ネイチャー系をよく読んだ。

レイチェル カーソン「沈黙の春」、「われらをめぐる海」、「センス オブ ワンダー」
ヘンリー デヴィッド ソロー「森の生活」、「孤独の愉しみ方」
ジョン ミューア「初めてのシェラの夏」
星野道夫「森と氷河と鯨(ワタリガラスの伝説を求めて)」
アラン ムーアヘッド「恐るべき空白」
宮崎学「死」

色々読みましたが、レイチェルカーソンの「センス オブ ワンダー」、星野道夫の「森と氷河と鯨」、宮崎学「死」は傑作です。宮崎学の「死」は文字通り自然界における死を撮影しており、動物が森で死んで、白骨化して、食べられたりして土に返っていく様子を撮った写真集です。
これは非常にインパクトがあって、自分もふと山の中で死んだらこういうプロセスを通るのか・・・やっぱ自分も自然の一部なんだなと思ったものです。是非皆さんも読んでみてください。

2012年3月31日土曜日

第1期 世界の文学の扉をたたく

以前書いていた僕の読書遍歴のについて。
第1期「 世界の文学の扉をたたく」は17歳位から22歳位まで。学年で言うと高校2年生~大学3年生という感じなのだが、良くある「世界の名作というものを読んでみよう」という好奇心からスタートしました。

読んだ本で覚えているのは、
カフカの「変身」、「城」、「審判」。ダンテは「神曲」、サン=テグ ジュペリ「星の王子様」、「人間の土地」、「夜間飛行」、「南方郵便機」。ゲーテ「若きウェルテルの悩み」、ヘミングウェイ「誰が為に鐘はなる」、「西部戦線異状なし」、 マキャベリ「君主論」、ミヒャエルエンデ「果てしない物語」、「モモ」、フィッツジェラルド「グレートギャッツビー」、H.D.ソロー「メインの森」、レイチェル カーソン「沈黙の春」、「われらをめぐる海」、「センス オブ ワンダー」・・・

「いわゆる王道の名作文学作品を中心に」をテーマに読んでいたので色々な分野に渡っています。こうして振り返ってみても名作と言われるだけあって、苦労して難解な文章を読んだあとには得も言われない新しい世界を感じることができました。特にカフカ。読むのがここまで苦痛だった本はありません。「城」という本は作中に拷問のシーンがあるのですが、自分もそれを受けている気分になります。

サン=テグ ジュペリは好きな作家の一人だし、ダンテの神曲を読むと「なるほど、欧米人の考え方ってこういう感じか」というのが少し分かりました。ソローやカーソンは後に続くネイチャー関連に読書の興味が移っていくあらわれです。

今となってはあの時読んでおいてよかったな~と強く思う本になりました。しかしマキャベリの君主論はほとんどギャグ!です。

2012年3月22日木曜日

マスターキートン連載中

なんと、あの伝説のマンガ、マスターキートンの連載が始まった。高校時代にジョジョとともに読みまくったマンガなのですがこのタイミングで連載スタートか。コアなファンがついていて愛蔵版の本も人気でしたからね。

キートンはなんと老眼鏡を掛けていた・・・。舞台は現代のようです。

浦沢直樹超多忙なはずなのにやるね~。

ビックコミックオリジナルで連載されております。

2012年3月11日日曜日

写真集2冊(お薦めとそうじゃないの)

本日、図書館でそうだそうだ写真集を借りようと思って書架を移動しました。分類番号では748です。

石川直樹「POLAR」
星野道夫「星野道夫の仕事 1 カリブーの旅」

以前より、石川直樹 が気になっていた。同じ年だし、現在の日本では非常に数少ない冒険家であるから。たまにナショナルジオグラフィックの広告に名前が載っていてその存在を知った。実力はありそうな冒険家であります。以前読んだ彼の著書「全ての装備を知恵に置き換えること」の内容が個人的に印象が薄く、大したことがないんじゃないのか疑惑がありました。と言うわけで借りたのが「POLAR」です。館内でぺらぺらページをめくっていて嫌な予感。嫌な予感がしたので、近くにあった星野道夫の写真集もついでに借りてきました。

星野道夫は何冊か著作、写真集を読んで、展示会にも行ったのだがやはり良かった。石川直樹と写真も文章も実力の差が歴然としております。この2冊を妻に渡したところ・・・「ぜんぜん違うね」と一蹴。 POLARとカリブーの旅は同じ北極圏を舞台とした写真集で切り取られた風景も似ている点(当然石川が星野を意識している)があります。似たような写真を前にして、受け取れる感じ方の違い。カメラという同じツールを使いながらもこの結果の差。しみじみと実力の差というものを感じました。

星野道夫は類い稀な才能の持ち主であったことは間違いないで、比べられるのもかわいそうだが石川が僕を満足させてくれる才能を持ち合わせているかどうかにも疑問符がつきました。POLARは日本写真協会新人賞を撮った作品。この賞はたいしたことがないのではないか疑惑もついでに発生!

後数冊読んで残念本(ざんねんぼん、読む時間が無駄になる本)リスト入りかどうかを決めよう。

2012年3月7日水曜日

ちょいと備忘

備忘、という言葉は実に渋いですね。忘れることに備える!渋い!

というわけで読書関連の備忘録。
・カズオ イシグロ
村上春樹とともにノーベル文学賞に近いと言われる人。一度くらい読んでみなくては。

・大江健三郎
久々に読んでみよう。たぶん1冊で1ヶ月くらい要するだろうが。

・ 写真集
なんか一冊図書館で借りて読んで(観て)みようかな。

・マスターキートン
久々にマンガ熱が出てきた。読み返すマンガといえばジョジョとこれ。

・「ジェノサイド」高野和明
とりあえず、2012年の本屋大賞ノミネート作品から。

どこから手を出そうかな・・・

2012年3月6日火曜日

どこで本を読むか

本日は本にまつわる話題。

本を読むときには集中して読むとき、時間つぶしに読むとき、気晴らしに読むときなど色々あるのだけれど、本を読むときの姿勢にも色々あると思う。

直立不動で本を読むのが好きという人は少ないと思うけど、私の場合はベンチに座って読むのがダントツで好きです。ソファーでも良いのですがつまりは背もたれが大きくて、深く腰をかけられるイスが好きです。そのなかでも公園に設置されている三人がけのベンチは空や緑が見れるし、好きな場所を選べるし最高ですね。

屋外で敷物を広げて本を読んだ経験もありますが、芝生がチクチクしたり、蟻が足を噛んだりと快適とは程遠いものでした。しかし、のびのびとした気分を味わうことができたのは非常に良かったです。


寒い時期は布団やコタツで読むのも良いのですが、寝転がった状態では腕や背中などからだのどこかが痛くなりますね。

意外とトイレは読書向きのイス(便座)があり、狭い空間が集中しやすい。さすがに雑誌とか新聞とかしか読む気にはなれませんが・・・

もう少し暖かくなったら屋外読書ですね!

2012年2月29日水曜日

読書の変遷

自分で分野を決めて関連図書を読むということを大学生の頃からなんとなくやっていた。はっきりと意識するようになったのは、それを始めて7年後くらいです。3~5年位の周期で読む本のジャンルを変えるのです。

今までの変遷は・・・

第1期「世界の文学の扉をたたく」:いわゆる王道の名作文学作品を中心に・・・
第2期「自然への回帰」:ノンフィクション、ネイチャー系作品を中心に・・・
第3期「海外小説を読む楽しみ」:英語で書かれた小説の翻訳を中心に
第4期「近代日本文学より学ぶもの」:明治~昭和初期の日本人著作を中心に
第5期「池澤夏樹特集」:同時代を生きる日本人の作品より、池澤夏樹を取り上げて
第6期「現代日本文学を読む楽しみ」:時代を共有する著作より感じるもの

と気取って書き上げてみました。(これで今後のネタができました)
現在は第6期の終盤です。興味のある分野を見つけたら乗り換えたいな。そんな中で始めたこのthe Bookなんです。

2012年2月22日水曜日

ダウナー本

会社の同僚で霊感のある方がいらっしゃいまして、「大田区にある鈴ヶ森(江戸時代の処刑場)はぜったいに行きたくない」とおっしゃっていました。個人的には霊感無い様なのですが、人間の本質である怖いもの見たさを刺激されてしまいました。

というわけで今回はhidkより怖いもの見たさをプレゼント。
読めば気分が滅入る!ダウナー本です。

・ 「犠牲(サクリファイス)」柳田邦男
現在読んでいる本。 25歳の息子が自殺未遂により脳死状態になってしまう・・・という状況がスタート。その後さまざまな葛藤があり植物状態、脳死状態を経て尊厳死を選ぶノンフィクション。ノンフィクションの辛さです。

・「春にして君を離れ」 アガサ クリスティ
アガサ クリスティがペンネームで執筆しても良く売れたという本。なんかこう、段々辛くなっていくのです。知らぬが仏、というのはけっこうな割合で真(しん)です。

・「ミザリー」スティーブン キング
キングの中でもダントツに痛い本。特に斧で指を・・・痛い!どころではありません。もちろん小説なのですが、貴志祐介の「黒い家」の描写が手ぬるく感じました。

・「アルジャーノンに花束を」 ダニエル キイス
これが人生における初めてのダウナー本だったかもしれません。せつない話です。
(雨にぬれたチャーリーが)「でも花は(この雨を)喜んでいるよ」は名言です。

・「犬たち」エルヴェ ギベール
図書館で犬にまつわる小説かなと思って借りたら、あなたとあなたと僕がが犬だったという話。19歳の僕は相当ショックを受けました。その後「僕の命を救ってくれなかった友へ」を読んで気分もどん底に。

・「さまよう刃」東野 圭吾
初めて読んだ東野 圭吾は「白夜行」、2冊目がこの「さまよう刃」。チョイスが悪かった・・・。


どうぞ、精神的に充実しているときに読んでみてください!
(3冊追記しました。2月29日)

2012年2月17日金曜日

ライトとフリーペーパー

久しぶりの休み、カフェ読書で気分転換しております。
場所は池袋にあるフランク ロイド ライトの建築、「自由学園明日館」です。
そう、あのアメリカの建築家、ライト建築の本物ですよ!
豪華さとか、石ではなく、木と塗壁が多様されているので素材が醸し出す重厚さはないのですが、非常に居心地の良い空間です。
ロイドライトの建築って本の中の存在だと思っていたので、意外と身近にあり驚いています。
で、肝心の読み物は…タワレコのintoxicateですが、前回と同じのをまたもらってしまうというオチでした。
ブログには画像もアップします!
hidk

2012年2月15日水曜日

叡智の断片 池澤夏樹


ベンジャミン フランクリンの言葉
「良い戦争というものはないし、悪い平和というものもない」
「There never was a good war, or a bad peace」(1783年)
(P87-88より)

イギリス初の女性議員ナンシー・アスターとチャーチルの会話。
ナンシー:「私があなたの妻ならば、きっとコーヒーに毒を入れるわ」
チャーチル:「万一あなたが妻ということになったら、私はそれを飲むだろう」
(P90より)

犯罪に関して
「銀行を創設する奴に比べたら、銀行強盗なんてケチな犯罪者だ」
ベルトルト ブレヒト
(P181より)

以上、池澤夏樹の「叡智の断片」集英社インターナショナル、2007
プレイボーイに連載されていたコラムです。図書館で借りた再読本ですが海外の人の言葉を集めた本で、ジョーク、会話、格言、古典からの引用と出典がさまざまで面白いです。

おお、この人こんなこと言っていたのかと思うことも多く1冊の本で世界が広がります。久しぶりにブレヒトを読んでみるかって気になったし、チャーチル・・・あのしわがれ声で言ったのだろうかって想像するのはかなり面白い。

何度かP.G.ウッドハウスの話が出てくるのですが、このtheBookのメンバーの人がウッドハウスの本を読んでて面白いと言っていたので今度探してみようと思いました。

しかし、冒頭に引用したベンジャミン フランクリンの言葉は強いです。日本語よりも英語の方がより力強さを感じますね。

出典がはっきりと書かれており、原文も載っているのでなお面白いです。
どうぞ図書館で探してみてください。

ライター hidk

2012年2月12日日曜日

再読という楽しみ方

30代になってから、昔読んだ本をもう一度読むということが楽しいことが分かった。10年以上前に読んだ本をもう一度読むと、だいぶ違って感じる。自分の中もすごした時間の分だけ変化しているから、読書後の感想も変わってくるわけです。

ここ数ヶ月の間に読んだのは「アルジャーノンに花束を(ダニエル キイス)」、「ザ スタンド(スティーブン キング)」、「スプートニクの恋人(村上春樹)」、「グスコーブドリの伝記(宮沢賢治)」です。アルジャーノンは19歳の時に読んで以来でしたが、イメージは同じでしたが人間描写の細かさ、さまざまな感情が入り混じっている様子は今回はっきりと感じました。

スプートニクはたぶん20代前半に読んでいらい。世の中も変わったし、恋愛に関する考え方も変わったので、記憶の中の村上春樹作品とイメージがうまく重なりませんでした。宮沢賢治は・・・たまに読み返すとホッとします。

疲れていて?!新しい内容の本を読むのが億劫に感じるけれど手持ち無沙汰で何か読みたいというとき再読もお薦めです。

hidk

2012年2月10日金曜日

世界の国旗全図鑑―国旗から海外領土・国際機構・先住民族の旗まで

みなさん。
はじめまして。

hidkさんご招待ありがとうございます。

長野県で米づくりをやっています。
がんもです。

いまリュックに入っているのは、この本です。

『世界の国旗全図鑑―国旗から海外領土・国際機構・先住民族の旗まで』
 辻原 康夫

先住民族やアメリカやブラジルの州の旗まで掲載されていて、
その旗に込められた意味、歴史や思いなど、知らなかった事実が
満載です。

メジャーなマークだと、三日月と星のマークはイスラム教の象徴、
赤い帯と星マークは社会主義国家を象徴しているそうです。

アイヌの旗とかけっこうかっこいいですよ。

過去にスペインでゲイの旗に気づかずに、
ゲイビーチに侵入していたことを思い出しました。

がんも

2012年2月9日木曜日

漫画だって対象だよ


本日は「風の大地」です。原作:坂田信弘、画:かざま鋭二、ビックコミックス

小学館の大人向け漫画雑誌ビックコミックオリジナルで連載されています。暫く前にゴルフを始めた妹の部屋で見つけたのですが、かなり面白いです。主人公はプロゴルファーで、良くある漫画的な手法ではなく、ノンフィクションっぽい進行です。感情、考えと練習や肉体についてゴルフってメンタルなスポーツだな・・・と思いました。タイガーウッズがスキャンダルの後成績を伸ばせないのも無理はないって思います。

個人的に好きな漫画といえば「ジョジョの奇妙な冒険」ですが、漫画だってたくさん読んでいます。

 60巻近く出ているのでまとめ読みも楽しめますね!

hidk

2012年2月4日土曜日

『食の魔法」』 鏡リュウジ

みなさま
はじめまして。スピリチュアルに特化した文章が得意なライタ—のまりこです。
占星術の世界での元旦にあたる2月4日に、こちらのブログをチェックされ
ているみなさんがハッピーになれる新刊レビューをアップしたいと思いました。
以下、この手の本にしては売れ行きがいい鏡リュウジさんのオレンジぺ—ジ
での連載をまとめた新刊のご紹介です。袴田さんの知性・食に関する知識に
うちの業界で匹敵する頭脳と好奇心の持ち主はグルメな星の王子さま☆鏡
さんしかいないと思われるのでご紹介いたします。
ご笑覧いただけましたら幸いです。
『魔女たちが得意にしたのが、食べ物を使う魔法です』とおっしゃる鏡リュウジさん
の新刊『食の魔法〜願いをかなえるパワーフード』には、わたしたちをキッチンに
立つやさしい魔女にしてくれる素敵なお話しがいっぱい紹介されています。
鏡さんのツイッタ—には「美味しいものがお好きな方なんだな」というツイート多数。
この本の中にもイギリスに行くと芽生えるという「チーズ愛」や「パン愛」に関してア
ツク語っていらっしゃる姿がほほえましい一面も。
わたしは個人的にかなり「ナッツ愛」が強い人間なので、どんな魔法がナッツ隠さ
れているのか本文からの抜粋引用でご紹介しますね。
■ヘーゼルナッツは魔女や悪魔を追い払う力を持っている。
〜〜〜本文から抜粋引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そもそもへーゼル(ハシバミ)の樹木は、ギリシャ神話のヘルメスの杖の素材で
あったとされています。アイルランドの守護聖人、聖パトリックがハシバミの木の杖
で、アイルランドから蛇を追い払ったなどという伝承も語られてきました。
そんなことからヘーゼルナッツは、魔女や悪魔を追い払う力を持つものといわれ
ているのです。日本でいえば、節分の豆まきのようなものでしょうか。
さらにヘーゼルナッツは、落雷や嵐、火災などから守ってくれるともいわれています。
〜〜〜本文からの抜粋引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんな感じでりんご、玉子などの日々の食材からはまぐり、オリーブ、ハーブなどお洒落ディナーに使う食材まで古今東西のエピソードを交えながら解説してくださっています。読んでいるだけでどんどん魔女としての勉強が見についちゃうかも?でも魔法は使ってなんぼだと思うので、ナッツに秘められた様々な神秘的な力も紹介されています。脳のかたちに似ているくるみは知性を高める効果があったり、アーモンドは愛を招く媚薬だそうですよ。同じく媚薬効果があるチョコレートと合わせるとより、パワフルなのだとか。
■火、地、風、水の4つのエレメントに星座を分類してそれぞれのマニュアルを処方。
・火の星座(牡羊座、獅子座、射手座)・地の星座(牡牛座、乙女座、山羊座)・風の星座(双子座、天秤座、水瓶座)・水の星座(蟹座、蠍座、魚座)にわけて、特に恋愛や人間関係のあれやこれやなどに特化したマニュアルを処方されているのがユニークです。
ナッツに関するそれぞれのエレメントのお題は。。。
〜〜〜本文からの抜粋引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・火の星座『間違いのない判断が冷静にできるようになるには、何を食べるといい?」
・地の星座『お互いに支え合い、いつまでも愛し合える人と巡り合うには。。。?」
・風の星座『勉強ができるようになったり、才能や能力をアップさせる食べ物はありますか?』
・水の星座『無駄づかいを減らし、金運を上げる食べ物はありますか?』
〜〜〜本文からの抜粋引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ちなみにわたしの所属する水の星座はピーナッツやカシューナッツを積極的に食べて金運アップ!するといいのだとか。両方とも大好きなナッツなので早速毎日の習慣に取り入れようっと。。。食の魔法って使い易くていいですね。2012年はフード魔女デビューしちゃおうかな。
(ライターまりこ)

2012年2月2日木曜日

家庭画報

最近、めっきり読まなくなったものに雑誌がある。きっと年を取ったせいだ。外部の刺激をあまり受け付けなくなったのと、好みがある程度決まってきたからだろう・・・

そんな僕が読む機会のある雑誌と言えば・・
定期購読しているナショナルジオグラフィック(日本語版、通称ナショジオ)と家庭画報!です。家庭画報は美容院で髪を切られながら読むのが唯一の機会ですが、自分のまったく知らない世界を教えてくれる稀有な存在です(雑誌ってたいてい自分の世界の延長の情報をくれるものですから)。

ウェブサイト「家庭画報」をのぞいてみると・・・「夢と美を楽しむ家庭画報」とかいてありました。やっぱあの世界は夢だったのか。2000万円のジュエリーの広告とか、世界で限定50個の高級時計とか、それは夢ですよね。そしてこの雑誌の厚さと重さ。手で持っていると読み終わる前に腱鞘炎になり、(美容院なので)ひざに乗せれば、重みで足が痛くなります。世のセレブはどうやってこの雑誌を読んでいるのだろうか・・・寝転びながら?なんか似合わないなといつも考えてしまいます。

家庭画報、お近くの美容院もしくは病院で読むことができます。
hidk

2012年1月30日月曜日

不思議な羅針盤 梨木香歩

「不思議な羅針盤」 梨木香歩 文化出版局 ISBN-13 978-4579304349

梨木香歩こそ人に教えてもらって自分でも 好きになった作家のひとりです。学生時代の友人に教えてもらったのは梨木香歩の児童文学-ファンタジー分野の本でした。「からくりからくさ」や「裏庭」を読み「家守綺譚」、「村田エフェンディ滞土録」と読み進んでいった。驚くべきことにどれも僕にとっては面白く感じられ、語り方もテーマも好きだった。

そしてついにであたったのが「春になったら苺を摘みに」です。表紙の写真が素敵だな・・・と思っていたらそれもそのはず、星野道夫でした。梨木香歩のエッセイはこの本が初めてでしたが、感性と自分を強く感じる人だな、と思いました。確かイギリスで下宿していたときの話だったと思うのですが、なんともいえない美しさや強さを感じたのです。梨木香歩、エッセイ面白い!と思うようになって「水辺にて」とか「渡りの季節」なども読みました。

ようやく本題。「不思議な羅針盤」はその中でも梨木香歩→読者へのメッセージ性が強く、彼女の思いに深く共感できたので印象的な本になりました。現代の問題に関して心配し、本気で良くしたいと思っている人なのだと思いました。また文章が美しい(イラッとこない)の好きなポイントです。

hidk

2012年1月29日日曜日

読んでいるのはスコア

オーケストラのスコアを見ながら音楽を聴くというマニアックなことを通勤途中にしている。
今聴いている曲はドビュッシーの「海」。指揮者はチェリビダッケ。スコアとは簡単にいえば楽譜のことでオーケストラのどの楽器がどんな音を出しているのかが良く分かる。
チェリビダッケはゆっくりのテンポで指揮するので、より一層輪郭がくっきりする感じです。台本を読みながら演劇を観る、という感じでしょうか。どの楽器が伴奏しているのか、ユニゾンかなど単に曲を聴いているだけでは捕らえられないことがスコアを読むとわかることもあるので楽しいのです。
ちなみにオイレンブルグ版です。ちょっと大きな本屋のクラッシックコーナーやヤマハとかに売ってます。
hidk

2012年1月28日土曜日

現在のメンバー6人

現在、TBTRに参加しているのは6名となりました。メーリングリストに参加せず、ブログだけ見ている方はもう少しいる気がします。参加者は僕の学生時代の知り合いと現在の職場の人々です。

どんな本の情報が得られるのか(果たして得られるのか?)非常に楽しみです。

hidk

2012年1月27日金曜日

ちょっと前に読んだ本、チャイルド44

「チャイルド44」 トム ロブ スミス著、新潮文庫、ISBN-13: 978-4102169315

たまに訪れるけっこう面白い個人サイト「真説 アイツとアイツは敬称略」で紹介されており面白そうだなということで読みました。現代のイギリス人の作家ですが、本作の舞台は1950年代のロシア。ロシアというかソ連。今でこそソ連という響きは懐かしいけれども、僕の子供の時代ソ連といえば純粋な悪として現在では稀有の存在感がありました。現代の悪(ということになっている)、アラブは地理的に遠いですから。

第二次世界大戦終了後のソ連はスターリンが好き放題やっていてまさに恐怖政治。 教科書では知っていたけれども恐ろしい。人間困難な状況でも生きていけるのだな(平均余命5年という収容所)とか、(ドイツのホロコーストを念頭に)自分の国民への残虐な行為は許されるのだなという素直な感想を持ちました。

内容はミステリーでシリアルナンバーキラーを追う捜査員レオが主人公なのですが、舞台説明もしっかりされており、スターリン下のソ連の状態も良く分かりました。実話を元にしたフィクションなのであとがきで紹介されている関連文献も読んでませんが興味深いです。

レオって実家で飼っていた柴犬の名前だ・・・。

2012年1月24日火曜日

シューマンの指 奥泉 光

書評、というほどではないのだけれどもこの本を知ったのはたぶんタワレコのフリーペーパー(のクラッシック版)で紹介されていた本だからです。クラッシックを扱ったミステリと言うことで絶賛されていました。

シューマンと言えば、個人的には交響曲第4番とその曲を教えてくれた知人を思い出すのだが、この本では主にシューマンのピアノ曲が扱われている。クラッシックについてかなりマニアックな描写が多いので、普通の人には分からないのでは?と思う箇所が多い。特に解説もないし・・・
「バッハ(Bach)が自分の名前をそのまま旋律にした」・・・これで普通分かるか!と突っ込みたくなります。

同じような構成でドビュッシーだったらもっと深く共感できたと思うのだが、残念ながらシューマンのことをそこまで深く知らなかった。しかしシューマンの幻想曲聴いてみようかな!って思いました。

2012年1月20日金曜日

ザ スタンド

年に1度は読み返すのがこのスティーブン キングの「ザ スタンド」。キングといえばモダンホラー作家といわれるけれども、ホラーという言葉ではまとめきれない物語をたくさん書いている。この本は、感染力が非常に強いフルー(流感)が流行って世界が善と悪に二分されてしまう・・・という舞台設定。

そこでとうぜん予想をこえる出来事が起き、人間はどうなってしまうのだろうか、人間の本質っていったいということまで考えざるを得ない。この深さがいいのです。大事な登場人物が無残にも死んでしまうのが、切なくていいのです。