「チャイルド44」 トム ロブ スミス著、新潮文庫、ISBN-13: 978-4102169315
たまに訪れるけっこう面白い個人サイト「真説 アイツとアイツは敬称略」で紹介されており面白そうだなということで読みました。現代のイギリス人の作家ですが、本作の舞台は1950年代のロシア。ロシアというかソ連。今でこそソ連という響きは懐かしいけれども、僕の子供の時代ソ連といえば純粋な悪として現在では稀有の存在感がありました。現代の悪(ということになっている)、アラブは地理的に遠いですから。
第二次世界大戦終了後のソ連はスターリンが好き放題やっていてまさに恐怖政治。 教科書では知っていたけれども恐ろしい。人間困難な状況でも生きていけるのだな(平均余命5年という収容所)とか、(ドイツのホロコーストを念頭に)自分の国民への残虐な行為は許されるのだなという素直な感想を持ちました。
内容はミステリーでシリアルナンバーキラーを追う捜査員レオが主人公なのですが、舞台説明もしっかりされており、スターリン下のソ連の状態も良く分かりました。実話を元にしたフィクションなのであとがきで紹介されている関連文献も読んでませんが興味深いです。
レオって実家で飼っていた柴犬の名前だ・・・。
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