「不思議な羅針盤」 梨木香歩 文化出版局 ISBN-13 978-4579304349
梨木香歩こそ人に教えてもらって自分でも 好きになった作家のひとりです。学生時代の友人に教えてもらったのは梨木香歩の児童文学-ファンタジー分野の本でした。「からくりからくさ」や「裏庭」を読み「家守綺譚」、「村田エフェンディ滞土録」と読み進んでいった。驚くべきことにどれも僕にとっては面白く感じられ、語り方もテーマも好きだった。
そしてついにであたったのが「春になったら苺を摘みに」です。表紙の写真が素敵だな・・・と思っていたらそれもそのはず、星野道夫でした。梨木香歩のエッセイはこの本が初めてでしたが、感性と自分を強く感じる人だな、と思いました。確かイギリスで下宿していたときの話だったと思うのですが、なんともいえない美しさや強さを感じたのです。梨木香歩、エッセイ面白い!と思うようになって「水辺にて」とか「渡りの季節」なども読みました。
ようやく本題。「不思議な羅針盤」はその中でも梨木香歩→読者へのメッセージ性が強く、彼女の思いに深く共感できたので印象的な本になりました。現代の問題に関して心配し、本気で良くしたいと思っている人なのだと思いました。また文章が美しい(イラッとこない)の好きなポイントです。
hidk
2012年1月30日月曜日
2012年1月29日日曜日
読んでいるのはスコア
オーケストラのスコアを見ながら音楽を聴くというマニアックなことを通勤途中にしている。
今聴いている曲はドビュッシーの「海」。指揮者はチェリビダッケ。スコアとは簡単にいえば楽譜のことでオーケストラのどの楽器がどんな音を出しているのかが良く分かる。
チェリビダッケはゆっくりのテンポで指揮するので、より一層輪郭がくっきりする感じです。台本を読みながら演劇を観る、という感じでしょうか。どの楽器が伴奏しているのか、ユニゾンかなど単に曲を聴いているだけでは捕らえられないことがスコアを読むとわかることもあるので楽しいのです。
ちなみにオイレンブルグ版です。ちょっと大きな本屋のクラッシックコーナーやヤマハとかに売ってます。
hidk
今聴いている曲はドビュッシーの「海」。指揮者はチェリビダッケ。スコアとは簡単にいえば楽譜のことでオーケストラのどの楽器がどんな音を出しているのかが良く分かる。
チェリビダッケはゆっくりのテンポで指揮するので、より一層輪郭がくっきりする感じです。台本を読みながら演劇を観る、という感じでしょうか。どの楽器が伴奏しているのか、ユニゾンかなど単に曲を聴いているだけでは捕らえられないことがスコアを読むとわかることもあるので楽しいのです。
ちなみにオイレンブルグ版です。ちょっと大きな本屋のクラッシックコーナーやヤマハとかに売ってます。
hidk
2012年1月28日土曜日
現在のメンバー6人
現在、TBTRに参加しているのは6名となりました。メーリングリストに参加せず、ブログだけ見ている方はもう少しいる気がします。参加者は僕の学生時代の知り合いと現在の職場の人々です。
どんな本の情報が得られるのか(果たして得られるのか?)非常に楽しみです。
hidk
どんな本の情報が得られるのか(果たして得られるのか?)非常に楽しみです。
hidk
2012年1月27日金曜日
ちょっと前に読んだ本、チャイルド44
「チャイルド44」 トム ロブ スミス著、新潮文庫、ISBN-13: 978-4102169315
たまに訪れるけっこう面白い個人サイト「真説 アイツとアイツは敬称略」で紹介されており面白そうだなということで読みました。現代のイギリス人の作家ですが、本作の舞台は1950年代のロシア。ロシアというかソ連。今でこそソ連という響きは懐かしいけれども、僕の子供の時代ソ連といえば純粋な悪として現在では稀有の存在感がありました。現代の悪(ということになっている)、アラブは地理的に遠いですから。
第二次世界大戦終了後のソ連はスターリンが好き放題やっていてまさに恐怖政治。 教科書では知っていたけれども恐ろしい。人間困難な状況でも生きていけるのだな(平均余命5年という収容所)とか、(ドイツのホロコーストを念頭に)自分の国民への残虐な行為は許されるのだなという素直な感想を持ちました。
内容はミステリーでシリアルナンバーキラーを追う捜査員レオが主人公なのですが、舞台説明もしっかりされており、スターリン下のソ連の状態も良く分かりました。実話を元にしたフィクションなのであとがきで紹介されている関連文献も読んでませんが興味深いです。
レオって実家で飼っていた柴犬の名前だ・・・。
たまに訪れるけっこう面白い個人サイト「真説 アイツとアイツは敬称略」で紹介されており面白そうだなということで読みました。現代のイギリス人の作家ですが、本作の舞台は1950年代のロシア。ロシアというかソ連。今でこそソ連という響きは懐かしいけれども、僕の子供の時代ソ連といえば純粋な悪として現在では稀有の存在感がありました。現代の悪(ということになっている)、アラブは地理的に遠いですから。
第二次世界大戦終了後のソ連はスターリンが好き放題やっていてまさに恐怖政治。 教科書では知っていたけれども恐ろしい。人間困難な状況でも生きていけるのだな(平均余命5年という収容所)とか、(ドイツのホロコーストを念頭に)自分の国民への残虐な行為は許されるのだなという素直な感想を持ちました。
内容はミステリーでシリアルナンバーキラーを追う捜査員レオが主人公なのですが、舞台説明もしっかりされており、スターリン下のソ連の状態も良く分かりました。実話を元にしたフィクションなのであとがきで紹介されている関連文献も読んでませんが興味深いです。
レオって実家で飼っていた柴犬の名前だ・・・。
2012年1月24日火曜日
シューマンの指 奥泉 光
書評、というほどではないのだけれどもこの本を知ったのはたぶんタワレコのフリーペーパー(のクラッシック版)で紹介されていた本だからです。クラッシックを扱ったミステリと言うことで絶賛されていました。
シューマンと言えば、個人的には交響曲第4番とその曲を教えてくれた知人を思い出すのだが、この本では主にシューマンのピアノ曲が扱われている。クラッシックについてかなりマニアックな描写が多いので、普通の人には分からないのでは?と思う箇所が多い。特に解説もないし・・・
「バッハ(Bach)が自分の名前をそのまま旋律にした」・・・これで普通分かるか!と突っ込みたくなります。
同じような構成でドビュッシーだったらもっと深く共感できたと思うのだが、残念ながらシューマンのことをそこまで深く知らなかった。しかしシューマンの幻想曲聴いてみようかな!って思いました。
シューマンと言えば、個人的には交響曲第4番とその曲を教えてくれた知人を思い出すのだが、この本では主にシューマンのピアノ曲が扱われている。クラッシックについてかなりマニアックな描写が多いので、普通の人には分からないのでは?と思う箇所が多い。特に解説もないし・・・
「バッハ(Bach)が自分の名前をそのまま旋律にした」・・・これで普通分かるか!と突っ込みたくなります。
同じような構成でドビュッシーだったらもっと深く共感できたと思うのだが、残念ながらシューマンのことをそこまで深く知らなかった。しかしシューマンの幻想曲聴いてみようかな!って思いました。
2012年1月20日金曜日
ザ スタンド
年に1度は読み返すのがこのスティーブン キングの「ザ スタンド」。キングといえばモダンホラー作家といわれるけれども、ホラーという言葉ではまとめきれない物語をたくさん書いている。この本は、感染力が非常に強いフルー(流感)が流行って世界が善と悪に二分されてしまう・・・という舞台設定。
そこでとうぜん予想をこえる出来事が起き、人間はどうなってしまうのだろうか、人間の本質っていったいということまで考えざるを得ない。この深さがいいのです。大事な登場人物が無残にも死んでしまうのが、切なくていいのです。
そこでとうぜん予想をこえる出来事が起き、人間はどうなってしまうのだろうか、人間の本質っていったいということまで考えざるを得ない。この深さがいいのです。大事な登場人物が無残にも死んでしまうのが、切なくていいのです。
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