先日、ちょっと時間があり手元に読む本を持ち合わせていなかったので阿佐ヶ谷のブックオフに寄り購入したのが大江健三郎の「われらの時代」です。
暫く前から大江健三郎を読もうと思っていたのですが、結構難解な作品が多く、読む速度も上がらないので図書館の貸し出し期間で読みきれることは無く、購入する機会をうかがっていました。文庫本ですが100円で購入。
大江健三郎を読んだか読んでいないかで読書人生はわりと大きく変わるのではないかなと思います。それほどまでに作品に力があります。
読んだことがあるのは「飼育」、「燃え上がる緑の木」、「静かな生活」ですが、読書途中であきらめたのが「宙返り」、「チェンジリング」、「万延元年のフットボール」と多数あります。このあたりも大江健三郎独特の世界観のあらわれかと思うのですが、簡単な話、大江健三郎の本はとっつきにくいのです。
しかし 「燃え上がる緑の木」はなかなかエキサイティングで(普段はあまり思わない)信仰とは?魂の救済とは?ということを深く考えさせられたうっすらとした記憶があります。ギー兄さんというひびきも斬新でした。
さすがにノーベル文学賞受賞しているだけあって読んで損はありません。いやはや、母国語として大江健三郎の本を読めることは幸せかもしれませが、1960~80年代の日本が時代背景としてあるのでこのあたりの知識があると(学生運動、安保、高度経済成長)なお理解が深まるかもしれません。
今読んでいるのは「われらの時代」なのですが、冒頭部分が結構エロいのが良い?です。
The Book,The Reader
2012年5月2日水曜日
2012年4月19日木曜日
闇のよぶ声 遠藤周作
遠藤周作「闇のよぶ声」を読み終わった。久々の遠藤周作なのですが、裏表紙によれば「長編の心理的推理小説で非常に珍しい話題作」ということです。発表が1971年なので相当時代を感じます。主人公の一人が精神科医であるのもそれを感じさせる理由で、現代の2012年とはだいぶ雰囲気が違います。
推理小説、ミステリといった分野は時代と共に進化しているのだなと強く感じました。 設定とか人物の行動、心理描写はかなりおおらか。犯罪を犯す側の理由も複雑化しているし、それを操作する側の技術も進化している。
同じミステリ?でも池波正太郎の鬼平犯科帳の江戸の風俗には風情を感じるのは現代とまったく違うからですね。
推理小説、ミステリといった分野は時代と共に進化しているのだなと強く感じました。 設定とか人物の行動、心理描写はかなりおおらか。犯罪を犯す側の理由も複雑化しているし、それを操作する側の技術も進化している。
同じミステリ?でも池波正太郎の鬼平犯科帳の江戸の風俗には風情を感じるのは現代とまったく違うからですね。
2012年4月15日日曜日
第2期「自然への回帰」:
第2期「自然への回帰」:ノンフィクション、ネイチャー系作品を中心に・・・
読書遍歴、第2期。生まれも育ちも田舎だったので、自然というものがありふれた生活を18年ほど送っていた。
小学校は毎日30分ほどかけて歩いて登校し、1時間ほどかけて歩いて帰ってくるような生活をしていた。帰り道が長くかかるのは、途中で文字通り道草を食って遊んでいるからでザリガニ、イモリ、カブトムシ、ゲンゴロウなどなど捕まえたりしていた。そんな少年時代をすごしていたので、ネイチャー系の本というのはごく身近に感じるジャンルでした。小学生の時に椋鳩十の本を読み漁り、昆虫にはあまり興味がなかったのでファーブルではなく、シートン動物記を読んでいた。
その後、ちょっと大人になると、大人のネイチャー系を読み始め、第1期に遅れること数年でノンフィクション、ネイチャー系をよく読んだ。
レイチェル カーソン「沈黙の春」、「われらをめぐる海」、「センス オブ ワンダー」
ヘンリー デヴィッド ソロー「森の生活」、「孤独の愉しみ方」
ジョン ミューア「初めてのシェラの夏」
星野道夫「森と氷河と鯨(ワタリガラスの伝説を求めて)」
アラン ムーアヘッド「恐るべき空白」
宮崎学「死」
色々読みましたが、レイチェルカーソンの「センス オブ ワンダー」、星野道夫の「森と氷河と鯨」、宮崎学「死」は傑作です。宮崎学の「死」は文字通り自然界における死を撮影しており、動物が森で死んで、白骨化して、食べられたりして土に返っていく様子を撮った写真集です。
これは非常にインパクトがあって、自分もふと山の中で死んだらこういうプロセスを通るのか・・・やっぱ自分も自然の一部なんだなと思ったものです。是非皆さんも読んでみてください。
小学校は毎日30分ほどかけて歩いて登校し、1時間ほどかけて歩いて帰ってくるような生活をしていた。帰り道が長くかかるのは、途中で文字通り道草を食って遊んでいるからでザリガニ、イモリ、カブトムシ、ゲンゴロウなどなど捕まえたりしていた。そんな少年時代をすごしていたので、ネイチャー系の本というのはごく身近に感じるジャンルでした。小学生の時に椋鳩十の本を読み漁り、昆虫にはあまり興味がなかったのでファーブルではなく、シートン動物記を読んでいた。
その後、ちょっと大人になると、大人のネイチャー系を読み始め、第1期に遅れること数年でノンフィクション、ネイチャー系をよく読んだ。
レイチェル カーソン「沈黙の春」、「われらをめぐる海」、「センス オブ ワンダー」
ヘンリー デヴィッド ソロー「森の生活」、「孤独の愉しみ方」
ジョン ミューア「初めてのシェラの夏」
星野道夫「森と氷河と鯨(ワタリガラスの伝説を求めて)」
アラン ムーアヘッド「恐るべき空白」
宮崎学「死」
色々読みましたが、レイチェルカーソンの「センス オブ ワンダー」、星野道夫の「森と氷河と鯨」、宮崎学「死」は傑作です。宮崎学の「死」は文字通り自然界における死を撮影しており、動物が森で死んで、白骨化して、食べられたりして土に返っていく様子を撮った写真集です。
これは非常にインパクトがあって、自分もふと山の中で死んだらこういうプロセスを通るのか・・・やっぱ自分も自然の一部なんだなと思ったものです。是非皆さんも読んでみてください。
2012年3月31日土曜日
第1期 世界の文学の扉をたたく
以前書いていた僕の読書遍歴のについて。
第1期「 世界の文学の扉をたたく」は17歳位から22歳位まで。学年で言うと高校2年生~大学3年生という感じなのだが、良くある「世界の名作というものを読んでみよう」という好奇心からスタートしました。
読んだ本で覚えているのは、
カフカの「変身」、「城」、「審判」。ダンテは「神曲」、サン=テグ ジュペリ「星の王子様」、「人間の土地」、「夜間飛行」、「南方郵便機」。ゲーテ「若きウェルテルの悩み」、ヘミングウェイ「誰が為に鐘はなる」、「西部戦線異状なし」、 マキャベリ「君主論」、ミヒャエルエンデ「果てしない物語」、「モモ」、フィッツジェラルド「グレートギャッツビー」、H.D.ソロー「メインの森」、レイチェル カーソン「沈黙の春」、「われらをめぐる海」、「センス オブ ワンダー」・・・
「いわゆる王道の名作文学作品を中心に」をテーマに読んでいたので色々な分野に渡っています。こうして振り返ってみても名作と言われるだけあって、苦労して難解な文章を読んだあとには得も言われない新しい世界を感じることができました。特にカフカ。読むのがここまで苦痛だった本はありません。「城」という本は作中に拷問のシーンがあるのですが、自分もそれを受けている気分になります。
サン=テグ ジュペリは好きな作家の一人だし、ダンテの神曲を読むと「なるほど、欧米人の考え方ってこういう感じか」というのが少し分かりました。ソローやカーソンは後に続くネイチャー関連に読書の興味が移っていくあらわれです。
今となってはあの時読んでおいてよかったな~と強く思う本になりました。しかしマキャベリの君主論はほとんどギャグ!です。
第1期「 世界の文学の扉をたたく」は17歳位から22歳位まで。学年で言うと高校2年生~大学3年生という感じなのだが、良くある「世界の名作というものを読んでみよう」という好奇心からスタートしました。
読んだ本で覚えているのは、
カフカの「変身」、「城」、「審判」。ダンテは「神曲」、サン=テグ ジュペリ「星の王子様」、「人間の土地」、「夜間飛行」、「南方郵便機」。ゲーテ「若きウェルテルの悩み」、ヘミングウェイ「誰が為に鐘はなる」、「西部戦線異状なし」、 マキャベリ「君主論」、ミヒャエルエンデ「果てしない物語」、「モモ」、フィッツジェラルド「グレートギャッツビー」、H.D.ソロー「メインの森」、レイチェル カーソン「沈黙の春」、「われらをめぐる海」、「センス オブ ワンダー」・・・
「いわゆる王道の名作文学作品を中心に」をテーマに読んでいたので色々な分野に渡っています。こうして振り返ってみても名作と言われるだけあって、苦労して難解な文章を読んだあとには得も言われない新しい世界を感じることができました。特にカフカ。読むのがここまで苦痛だった本はありません。「城」という本は作中に拷問のシーンがあるのですが、自分もそれを受けている気分になります。
サン=テグ ジュペリは好きな作家の一人だし、ダンテの神曲を読むと「なるほど、欧米人の考え方ってこういう感じか」というのが少し分かりました。ソローやカーソンは後に続くネイチャー関連に読書の興味が移っていくあらわれです。
今となってはあの時読んでおいてよかったな~と強く思う本になりました。しかしマキャベリの君主論はほとんどギャグ!です。
2012年3月22日木曜日
マスターキートン連載中
なんと、あの伝説のマンガ、マスターキートンの連載が始まった。高校時代にジョジョとともに読みまくったマンガなのですがこのタイミングで連載スタートか。コアなファンがついていて愛蔵版の本も人気でしたからね。
キートンはなんと老眼鏡を掛けていた・・・。舞台は現代のようです。
浦沢直樹超多忙なはずなのにやるね~。
ビックコミックオリジナルで連載されております。
キートンはなんと老眼鏡を掛けていた・・・。舞台は現代のようです。
浦沢直樹超多忙なはずなのにやるね~。
ビックコミックオリジナルで連載されております。
2012年3月11日日曜日
写真集2冊(お薦めとそうじゃないの)
本日、図書館でそうだそうだ写真集を借りようと思って書架を移動しました。分類番号では748です。
石川直樹「POLAR」
星野道夫「星野道夫の仕事 1 カリブーの旅」
以前より、石川直樹 が気になっていた。同じ年だし、現在の日本では非常に数少ない冒険家であるから。たまにナショナルジオグラフィックの広告に名前が載っていてその存在を知った。実力はありそうな冒険家であります。以前読んだ彼の著書「全ての装備を知恵に置き換えること」の内容が個人的に印象が薄く、大したことがないんじゃないのか疑惑がありました。と言うわけで借りたのが「POLAR」です。館内でぺらぺらページをめくっていて嫌な予感。嫌な予感がしたので、近くにあった星野道夫の写真集もついでに借りてきました。
星野道夫は何冊か著作、写真集を読んで、展示会にも行ったのだがやはり良かった。石川直樹と写真も文章も実力の差が歴然としております。この2冊を妻に渡したところ・・・「ぜんぜん違うね」と一蹴。 POLARとカリブーの旅は同じ北極圏を舞台とした写真集で切り取られた風景も似ている点(当然石川が星野を意識している)があります。似たような写真を前にして、受け取れる感じ方の違い。カメラという同じツールを使いながらもこの結果の差。しみじみと実力の差というものを感じました。
星野道夫は類い稀な才能の持ち主であったことは間違いないで、比べられるのもかわいそうだが石川が僕を満足させてくれる才能を持ち合わせているかどうかにも疑問符がつきました。POLARは日本写真協会新人賞を撮った作品。この賞はたいしたことがないのではないか疑惑もついでに発生!
後数冊読んで残念本(ざんねんぼん、読む時間が無駄になる本)リスト入りかどうかを決めよう。
石川直樹「POLAR」
星野道夫「星野道夫の仕事 1 カリブーの旅」
以前より、石川直樹 が気になっていた。同じ年だし、現在の日本では非常に数少ない冒険家であるから。たまにナショナルジオグラフィックの広告に名前が載っていてその存在を知った。実力はありそうな冒険家であります。以前読んだ彼の著書「全ての装備を知恵に置き換えること」の内容が個人的に印象が薄く、大したことがないんじゃないのか疑惑がありました。と言うわけで借りたのが「POLAR」です。館内でぺらぺらページをめくっていて嫌な予感。嫌な予感がしたので、近くにあった星野道夫の写真集もついでに借りてきました。
星野道夫は何冊か著作、写真集を読んで、展示会にも行ったのだがやはり良かった。石川直樹と写真も文章も実力の差が歴然としております。この2冊を妻に渡したところ・・・「ぜんぜん違うね」と一蹴。 POLARとカリブーの旅は同じ北極圏を舞台とした写真集で切り取られた風景も似ている点(当然石川が星野を意識している)があります。似たような写真を前にして、受け取れる感じ方の違い。カメラという同じツールを使いながらもこの結果の差。しみじみと実力の差というものを感じました。
星野道夫は類い稀な才能の持ち主であったことは間違いないで、比べられるのもかわいそうだが石川が僕を満足させてくれる才能を持ち合わせているかどうかにも疑問符がつきました。POLARは日本写真協会新人賞を撮った作品。この賞はたいしたことがないのではないか疑惑もついでに発生!
後数冊読んで残念本(ざんねんぼん、読む時間が無駄になる本)リスト入りかどうかを決めよう。
2012年3月7日水曜日
ちょいと備忘
備忘、という言葉は実に渋いですね。忘れることに備える!渋い!
というわけで読書関連の備忘録。
・カズオ イシグロ
村上春樹とともにノーベル文学賞に近いと言われる人。一度くらい読んでみなくては。
・大江健三郎
久々に読んでみよう。たぶん1冊で1ヶ月くらい要するだろうが。
・ 写真集
なんか一冊図書館で借りて読んで(観て)みようかな。
・マスターキートン
久々にマンガ熱が出てきた。読み返すマンガといえばジョジョとこれ。
・「ジェノサイド」高野和明
とりあえず、2012年の本屋大賞ノミネート作品から。
どこから手を出そうかな・・・
というわけで読書関連の備忘録。
・カズオ イシグロ
村上春樹とともにノーベル文学賞に近いと言われる人。一度くらい読んでみなくては。
・大江健三郎
久々に読んでみよう。たぶん1冊で1ヶ月くらい要するだろうが。
・ 写真集
なんか一冊図書館で借りて読んで(観て)みようかな。
・マスターキートン
久々にマンガ熱が出てきた。読み返すマンガといえばジョジョとこれ。
・「ジェノサイド」高野和明
とりあえず、2012年の本屋大賞ノミネート作品から。
どこから手を出そうかな・・・
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